white minds

第四十章 全ては愛故に‐4

 基地へと辿り着いたレーナたちを待ち受けていたのは、予想外にもアキセとサホだった。黄色い空を背にして降り立った彼女は、間髪入れずに二人へと問いかける。
「ホワイトはまだ目覚めてない、よな?」
 それは半ば確信しての問いかけだった。だからだろう、一瞬怪訝そうにしてから、それでも問いかけには答えるべきと判断したのか二人はうなずく。するとほぼ同時に降り立ったアースとダーク、ジーンが背後から駆け寄ってきた。空からなのは単に転移して出てきたのが基地の真上、空中だっただけだ。直接地上に降りてもよかったのだが、万一誰かがそこにいては危険なのでやめておいた。誰かがいて踏んでしまってはさすがに悪いだろう。そんな経験も確か一度か二度はある。
 何故なら彼女には確かに、誰かが待っているという予感があった。そして事態が切羽詰まってきているという予感も。
「今レインがホワイトを呼びかけ続けてます」
「それでレーナさんが戻ってきたら呼んできて欲しいと、スェイブが」
「なるほど」
 走り寄ってきたアースたちを一瞥して、サホとアキセは簡素に説明した。それだけではおそらくアースたちの理解は追いつかないため、それを心優しい二人は気にしているのだ。だがレーナにはすぐに理解できていた。大体の状況はレインから流れ込む情報でわかっていたからだ。もっともホワイトを呼びかけに行ってしまったために、その情報も少なくなってはいたのだが。
「どういうことなんだ?」
 すると説明を待つのに焦れたのか、レーナの背後からダークが顔を覗かせた。驚いたサホが一方後ろへと下がるが、その肩を抱いてアキセは彼を見上げる。
「明日か明後日、魔族と神が地球で全面対決を起こしそうなんです」
「全面……!?」
「それで今とにかくホワイトを目覚めさせようと必死になっているところなんです。時間稼ぎのための結界の準備も進んでいますが、とにかく目覚めてもらわないことには話にならなくて」
 ダークを真正面から見つめてアキセは答えた。好青年だが線の細い印象の彼としては、なかなか度胸ある行為だ。彼もサホもまだ上位の神としての記憶は戻らず、結果いまだに技使いとしての力しか持っていない。ダークの気は抑えていてもかなりの圧力と感じるはずだ。それでも怖じ気つかないのは肝が据わったのか、それとも単に慣れただけなのか。
「やはり、われがいないと駄目か」
「そうみたいですね」
 だからレーナはねぎらう意味も込めてアキセとサホの肩を軽く叩いた。状況説明をする役目が二人に回ってきたのは、それだけ人手が足りない証拠だ。おそらく目覚めた側の神は結界準備を進めているのだろう。本当に切羽詰まっているのだ。
「ではわれはホワイトのところへ行く」
「はい、お願いします」
 レーナは二人の横を擦り抜けて基地へと歩き出した。しかし途中で思いとどまり足を止め、二人の方を振り返る。
「お前たちはどうする?」
「私たちはベレットの方へ行きます。念のため治療を続けた方がいいと思いまして。レインの方はあけりさんもついてるので大丈夫です」
「そうか、わかった」
 尋ねればすぐさまサホが答えてきた。どこか安堵を含んだその微笑が、緊張感漂う空気に柔らかさをもたらす。
 結界の準備はともかく、結界を張る時には多くの人員がいた方がいい。それはレーナにもすぐ理解できた。ならば補助系を得意とするベレットや特殊能力に秀でたレインは大切な存在だ。無論スェイブやサホも重要ではあるが。
「アキセ」
 歩みを再開した彼女は、基地へと向かいながらそう呼びかけた。予想外だったのかうわずった声を返して、アキセは何かと問いかけてくる。
「基地を動かす準備をしておいてくれ。ホワイトが目覚めたら一気に神魔世界へ転移する」
「あ、はい。わかりました」
 彼女は振り向かずにそう言いつけるとさらに足を速めた。その後ろをおいていかれないようにダークとジーン、アースが慌ててついてくる。
 目指したのは治療室だった。そこにはホワイトが、そしてセインとスェイブがいるはずだった。気で全てわかる。今スェイブはホワイトの精神を高めるための技を使っていて、セインは必死に呼びかけているのだ。そして別室ではレインが、半分核となってホワイトの名を呼び続けていた。
 ホワイトなら何とかしてくれる。
 なんて無責任で馬鹿馬鹿しい考えなのだろう。それでも誰もが信じていた。何故なら神は、魔族は、大半の世界は、全てホワイトの力によるものなのだ。黄色き者、その頂点リシヤと同化してからはその地位はますます揺るぎないものとなった。全ての始まり、原点。彼女が決意さえすれば、予想外の道が開けてくる。
 もっともその代償として別のものが失われるのは逃れられない定めでもあるが。
 レーナは基地へと入ると、真っ直ぐ治療室を目指した。馴染みのある廊下を足早に進めば、見慣れた白い扉が目に入ってくる。それを彼女は勢いよく開け放った。
「ホワイトっ」
 呼びかければ、振り返ったのはセインだけだった。必死な様子のスェイブはホワイトへと手をかざしながらその閉ざされた瞼を見つめている。セインが驚きに立ち上がると、ずれた椅子が床を滑りキキッと音を立てた。
「リティ、無事ダークとジーンを助けたのか」
「ああ見ての通りな、われの力でぱぱっと。なかなかなものだろう?」
 セインに問われて彼女は悪戯っぽく笑った。リティは滅多に見せることのない、しかしレーナお得意の表情だ。だがセインは戸惑わずに笑い返しただけだった。気づかぬうちに彼自身も滝としての記憶を取り戻しつつあるのかもしれないと、頭の隅でレーナは考える。
「われもレイン同様呼びかけに入る。アース、えっと手握っててくれるか? 戻ってこられないなんてことはないけれど一応。あ、セインもこっちの手握っててくれ。われ経由で声伝えられるようにするから」
 レーナはベッドの側にある適当な椅子に腰掛けると、にこやかにそう言った。後ろで所在なげにしていたアースがさっと左側へ近づいてきて、右ではセインが困惑しながらも言う通りにしてくる。
「そんなことできるのか?」
「たぶん。今のわれなら大概のことできる気がするから。あ、名前は愛称じゃなくて長い方でな。海ではなくこちら側に引きずるんだ。彼女の力ごと目覚めさせるようにして」
 セインに問われて軽く説明しながら、レーナはダークとジーンの方を見上げた。役目のない二人は置いてけぼりにされたかのように、その場に立ちつくしている。
「ダークはこの建物を回って、残っている神技隊を司令室に集めてくれ。あ、ジーンは分かれて一部はダークとともに、一部は神魔世界のスピルたちの結界準備の方へと向かってくれ」
 そんな二人へと彼女は、断る隙など与えないように言いつけた。だが目を見開いたダークはその意味を飲み込んで、うなずくことなく顔をしかめる。
「私が行けば技使いたちは萎縮するのではないか?」
「でもこれからはそうも言ってられないんだ、だからショック療法みたいな感じかな」
「ショック……」
「そんなわけだからお願いだ、今すぐ行ってくれ。われもすぐ戻ってくるから、その時即座に動けるようにしておきたいんだ。期限はもう迫っている」
『明日』とは言っても神魔世界で日が昇るまであと数時間しかなかった。気の急いた者たちなら既に動き出していてもおかしくないのだ。できるだけ早く、一刻でも早くホワイトを目覚めさせて向かわなければならない。そのためには出発に手間取っているわけにはいかなかった。だから全ての準備はすませておきたい。
「わ、わかった」
 すると事態の深刻さを感じ取ったのか、ダークは渋々と首を縦に振った。同時に彼の隣にいたジーンを、白っぽい光が包む。
「は?」
 その光の正体を知らなかったのはアースだけだろう。だから彼は驚きに声をもらした。強い光が収まった時、そこに立っていたのは七人の青年だった。それぞれジーンの面影をかすかに残した七人の魔族。七つ子とも呼ばれる七人だ。ジーンとしての姿が本来のものなのかこちらが本来のものなのかは、誰も知らない。彼自身も知らなかった。
「僕がゲンレイと一緒にダークと行くよ。残りが結界組でいいだろう?」
『ああ』
 七人のうち緩く髪を垂らした青年――陽空陣がそう言い出すと、残りの六人は同時に了承を告げた。そしてすぐに名前の出なかった五人の姿はかき消える。転移で神魔世界へと向かったのだ。
「では私たちも行こう」
 五人がいなくなったのを見計らってダークは扉へと向かった。その後をゲンレイこと幻麗陣、陽空陣が足早についていく。
 一気に室内は静かになった。レーナはもう一度アースとセインの顔を一瞥して、それからゆっくり瞼を閉じた。
 精神を集中させて、転移をする時のように体への意識を一時的に遮断する。すると瞼の内側に不思議な世界が見えるように思えた。
 揺らぐ世界。否、世界とは違う揺らぐ何か。限りなく無へと近い、完全なる有と近い場所が次第に感じられるようになる。あの『青の海』だ。赤から青へと、黄へと、絶え間なく変わり続ける色は、場所によっても別の色を呈している。
 その遙か先に、ぼんやりと輝く何かがあった。彼女は迷わずそちらへと近づいていった。自分がどうなっているのかは今はわからない。体が動くわけでもなく手を掲げたつもりでも指先すら見えない。けれども移動していることは確かで、それは無意識にできた。半分核になった状態。それが今の彼女を表すもっとも適当な言葉だ。限りなく不安定な自分を意識しつつも、ホワイトを求めて進んでいく。
「ホワイトゥブレィク」
 前方から囁くような声が聞こえてきた。聞くだけで心温まる、芯まで染み込んでくるレインの声だ。よく見れば輝く何かは一つではなく、やや離れたところにもう一回り小さい光がある。あれがレイン。薄紫色の光をまとった小さな白い球。ホワイトはそこからやや離れたもっと大きな白い球だ。その周りを同じく薄紫色の光が取り囲んでいるが、白い球ごと明滅を繰り返している。
「ホワイトゥブレィク」
 レーナもそっと名前を呼んだ。同時に薄紫色の光が強くなった。海に引きずり込まれまいと必死に抗う力、それが強くなっているのだ。同じ白の力を持つ者の声に、気に同調することで。
「リティ、来たのね」
「ああ、待たせたな」
 それが本来の声として放たれているかはわからなかったが、彼女は確かに『言った』。レインの声も確かに『聞こえている』し、答える自分の声も自分でちゃんとわかる。会話が成り立っているのだから細かいことは気にもならなかった。今はただホワイトを連れて帰る、それだけが目的で。
「リティ、ビィートゥアビリティ」
「うん、ここにいるよホワイト。ホワイトゥブレィク」
 ホワイトに呼ばれてレーナは柔らかに微笑んだ。いや、実際微笑んでるかどうかは疑問だが、微笑んだつもりになった。
「迎えに来たよ」
「ええ、ありがとう」
「私たちが力を貸すから、だからホワイトゥブレィク負けないで」
「ええ、大丈夫よ」
 レインとレーナが呼びかければ、ホワイトはゆっくりとうなずいた……ように思えた。実際は明滅の速度が遅くなっただけなのだが、それでもホワイトの力が緩やかに強くなっているのを感じる。
「ホワイトゥブレィク」
 そこへややくぐもった、けれども凛としたセインの声が頭上から響いた。実際はレーナを通して伝わっているだけだが、それは何故か頭上から聞こえてくるように思える。
「セイン?」
「そうだ、オレだ。ホワイトゥブレィク、まだかかるのか? そろそろオレたちも――」
「ええ、そうね。古き鎖に決着をつけなければならないわ。だけど、だからこそ、ほんの少しだけ力を貸して」
 セインの呼びかけにホワイトは答えた。二人の交わした会話は、まるで互いの思いを全て理解しているかのようだった。言葉の裏に隠された感情がレーナにも伝わってくる。温かで切なくてどこか愁いを含んでいて、しかし上に立つ者の強さを秘めた思いが。
「ディーファは私が海へと引きずり込んだ」
 ホワイトはそう宣言した。ならばやはりディーファは死んだのだ。いくら彼でも海へと落ちれば生きてはいけない。無へと溶け込んだ体は、限りなく有に近い混沌の一部となるだけだ。意識も記憶も感情も全てなくなる。それはきっと、彼がずっと望み続けていた平穏で。
「でもそれでも私は、もう一度戻らなければいけないの。未熟なる世界に大きな傷を残したままではいられないから。だから呼んで、私の名前を。祈って、私の帰還を」
 それは、力となる。
 不安定な存在を未熟で不安定な世界に引き止める力は、思いだけだった。だから皆は呼び続ける。あなたが必要なのだと、あなたがいなくては駄目なのだと、帰ってきて欲しいと心を込めて。
『ホワイトゥブレィク』
 重なった声は、色を変え続ける海に波一つ起こさなかった。けれども白い球を包む薄紫の光は、急激にその強さを増した。
 ありがとうと、目映い光に視界が霞む中で囁きが聞こえた。




 水の中に浮かんでいるような曖昧な重力感の中、頬を触れられた感触があった。体を包み込む生ぬるさとは違う熱い何かに、自然と瞼が持ち上がる。
「……ん」
 かすんだ視界に移ったのは白い壁で、鼻についたのは独特の薬品くさい臭いだった。混乱する意識の中でそれでも視線を上げたレーナは、心配そうにするアースと間近で目を合わせる。
「ああ、そうか」
 ホワイトを呼ぶために半核状態になっていたことを、彼女はようやく思い出した。頬に触れている彼の手をそっとのけて、彼女は微苦笑を浮かべる。
「わるい、大丈夫だ」
 そう言いながら、彼女は側にあるベッドへと目線を向けた。そこには上体を起こして微笑むホワイトの姿が、見間違えることなく存在していた。その長く白い髪は柔らかいシーツへと落ちて波打ち、淡い青の瞳は優しい光をたたえて、もう大丈夫なのだと案に告げている。
「おはよう、リティ」
「ああ、おはようホワイト」
「話は今セインに聞いたわ」
 ホワイトは凛とした声で言って、傍にいるセインへと目を向けた。レーナの隣にいる彼は肯定するように相槌を打つ。つまりホワイトが目覚めてからレーナが目覚めるまで、時間があったということだ。また心配かけたなと思いながら、レーナは静かにうなずき返す。
「恐れていたことが起ころうとしているのね」
 確認するかのごとく、ホワイトはつぶやいた。胸の奥がずしりと重くなって、レーナは唇をやや強く噛む。
 本当はそれを止めたかったのに、そのためにディーファと戦ったのに。結局事態は危惧していた方向へと流れていった。神と魔族の戦いが止まらない。これ以上の犠牲は出したくないのに、悲しむ者たちを増やしたくないのに、残酷にもかみ合った歯車は加速していく。
「私はね、ずっと考えていたの」
 だが諦めの声音ではなく強さを秘めた口調で、ホワイトはそう言った。レーナもアースもセインもはっとしたように、そんな彼女を息を呑んで見つめる。
「私たちは、力を持った存在は本当はこの世界には不必要なものなのよね。マグシスの生み出したこのより未熟な世界には、私たちは大きすぎる」
 ホワイトの言葉にレーナはうなずいた。
 そうだ、彼女たちはただこの世界にいるだけで歪みを作り出す程に大きな存在だ。世界が二次元だとしたら、一枚の薄っぺらい紙だとしたら、そこに存在する彼女たちは紙を貫く一本の棒のようなものだ。細いものならともかく太い棒が紙を貫けば、どうなるかは想像に難くない。下手をすれば紙その物を駄目にしてしまうかもしれない。それだけの存在だった。
 まだ白の世界や黄色の世界はよかった。ホワイトが、リシヤが生み出した世界だったから、大きな存在にも耐えられた。だがマグシスの生み出した世界は違う。今も無数に生み出され続けている世界たちは、それに耐えられなかった。
「私はこの世界から、この力を消そうと思うの」
 しかし次に放たれた言葉は、誰にとっても予想外だった。考えもしなかった発言に呼吸をすることも瞬きをすることも忘れて、レーナはただじっとホワイトを見つめる。
「私はこの世界から、皆から技という力を奪い取ろうと思うの」
「そ、そんなことできるのか?」
 突然の宣言に困惑が広がる中で、最初に我に返って問いかけたのはセインだった。技は彼らにとって手足の延長のようなもので、それを切り離すことなど想定外だ。しかも『世界から技を』ということは、その影響は数えられる人数には収まらない。そんなことができるとは到底思えなかった。けれどもホワイトは柔らかに微笑んで、ゆっくりと首を縦に振る。
「ええ、私のこの『海』の力があれば。この力さえあればそれも可能だわ。技だけを無へと返してやればすむことだもの」
「だが――」
「技が使えなくなれば神も魔族も戦えなくなる。それを前提としてしか動けない彼らは、それ以上戦えなくなる。ここまで来たからにはそうするしか、戦争を止める方法がないのよ」
 治療室は静まりかえった。唐突なホワイトの発案に誰もが困惑していた。
 技が消える。そんな世界を想像することは難しかった。これだけ慣れ親しんできた力がなくなるなど、すぐには考えられない。
 だが彼女の言う通り、それが可能なら戦いは止められるはずだった。神も魔族も戦いのために道具を特別用意しているわけではない。彼らが頼みとしているのはその力だけだ。剣などの数少ない武器でさえ、精神を込めることを前提としている。
「でも失敗すれば……おそらく全てが消滅するわ。それこそ力の使い方を間違えれば全て海に引き込まれる。この世界も、私たちも、皆海に引きずり込まれる」
「それでも、やるのか?」
「ええ、そうよ。必ず成功させてみせる。子どものためならね、親は何だってできるものよ」
 ホワイトは悪戯っぽく笑った。そう、ある意味神も魔族も彼女の子どものようなものだった。だから彼らの争いを止めるのは彼女の役目だと、そのために決意するのだと光を宿した瞳は語っている。
「わかった」
 レーナは答えた。セインとアースが驚いたように彼女を振り返ったが、前言撤回する気はなかった。
 ホワイトが決意したならついていく。それがリティとしての遥か昔からの思いで、それは今も変わることはなかった。やると言ったらやるだろう、ホワイトは。そして必ず実現させるはずだ、何があっても。
「……そうだな、ホワイトがそう言うなら止める理由はない。オレたちはそのために待っていたのだから」
 セインは答えながら立ち上がった。その拍子にずれた椅子がギギギと音を立てて、それまで妙な静けさに包まれていた室内の空気を瞬時に変える。
「決めたのならもう迷わない。さ、リティ準備だ。今すぐ神魔世界へと行くんだろう?」
「ああ、もちろん。そのための下準備はもうすんでいるはずだ。戦いが始まる前に、犠牲者が一人でも増える前に戻る」
 神魔世界へ。
 もう後悔しないために、過去を紡ぎし者たちは歩き始める。

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