オンノベ界の隅っこから創作イベントにサークル参加するまで

藍間は2013年現在、オンラインノベル(ネット小説)サイトを運営する一方、創作イベント(コミティアや地元イベント等)にて同人誌を定期的に頒布しています。
オンノベ界隈には、自作を本にしてみたいと思っている方も実はいるはず。でも何をどう始めたらいいかわからなくて躊躇している人も多いのではないかと、感じることが増えてきました。
「もっと仲間が増えたらいいのに!」と日頃思っていることもあり、ここで一つ藍間の一例を体験記として綴ってみたいと思います。
参考サイト等のリンクもありますので、何かの一助となれば幸いです。

はじまり

私は元から本作りに興味があったわけではありません。2004年にサイト開設してから5年ほどは、オンラインで作品を公開するだけの状態でした。
自作を本にするということに興味を持ったのは、とある物書きSNSで本作りに関する日記を読んだからです。そこには「Wordで作る自家製本。」というサイトへのリンクが張られていました。
何となく気になってサイトへ飛んでみて、面白そうだと思って、一冊自分用に作ってみようかなと思ったのがはじまりでした。しかし私は何を思ったのか「ファラールの舞曲」という長編で挑戦しようと血迷ってしまったのです。完結してからそれほど時間が経っていなかった、というが大きかったのでしょうが。初めてで長編というのは無謀でした(笑)
Wordが嫌いだった私は一太郎を使い、A5サイズ、平綴じ、150Pほどのコピー本(正確に言うとプリンター本)を作りました。しかし厚みもあって化粧裁ち(本の背以外を裁つことを言います。紙のずれ、はみ出しがなくなるので読みやすくなるし見た目も綺麗になります)がうまくいかない! 読むことはできるけれどとても満足できるものではありません。
それでも自作を縦書きで、紙で読める形にした時の感動は言葉になりませんでした。今度はもっと短い作品で作った方がいいかなと考えました。

オンデマンド印刷という存在

本作りに興味を持ち始めた私は、綺麗なコピー本を作る方法を求めてネットで情報収集を始めました。
そこでオンデマンド印刷というものがあることを知ります。それまでもたまに耳にしたことはあったのですが、実感が湧かなかったのでちゃんと調べてはいなかったんですね。
でも、分厚い本を手製本で作ることに限界を感じていた私にとって、オンデマンドというものは希望のように思えました。しかも調べれば調べるほどいっぱいあるじゃないですか! 値段は印刷所によって色々ですが、ページ数や部数によっては1万円かからなかったり。1冊から作れる。素晴らしいです。
そこで、まずは試しに1冊頼んでみようかなと思いました。ちょうどその頃は二次創作の方で完結しそうな中編がありまして、どうせならそれで試してみようかと考えました。
ある日、それをとあるSNSの日記に書いたところ「私も欲しいです!」というコメントが書き込まれました。
1冊作るのも5冊作るのもそんなに値段変わらないし……と考え、それなら希望者分も含めて少部数頼もうと決意しました。でも人様の手に渡るなら、さらに情報を集めなければなりません! 入稿に向けての準備が始まりました。

最初の一冊

最初の一冊は2010年5月19日発行となりました。この間、本を1回作って終わりということにはならないだろうなと判断し、評判が良さそうだった「パーソナル編集長」というソフトを購入してます。一万ちょっとで買えますが、普通のワープロソフトのように使えるし、ルビの調整も細かくできるしと便利なソフトです。
表紙は商用OKのフリー写真を加工、文字入れして作りました。本文のフォントは「DF平成明朝体」を使用したと記憶してます。
A5サイズ、50ページ、400円の本となりました。前もって簡単なアンケートをし、まずは自家通販のみで発行となりました。値段決めるのも通販の仕方も、とにかく調べて調べましたね。某掲示板のまとめサイトも参考にしました(笑)
使用した印刷所は、対応丁寧と噂の「STARBOOKS」でした。
一部古い情報もあるかとは思いますが、この辺り(「小説本向きな印刷所まとめサイト」 「同人誌の小説まとめ@Wiki」)のまとめサイトを中心に参考としてます。

まずは一般参加から

最初の一冊を発行すると決めた辺りから、同人誌即売会についても気になり始めてきました。ただ私、一度もまともにそういったイベントに参加したことがなかったのです。そういうものがあるとは知ってましたが、縁がない世界だと思ってました。二次ばかりだと思っていましたしね。
でも他の人たちが作った本も見てみたいし、どうやら創作を扱ってるサークルもあるようだし……と思って、まずは地元イベントを見てみようと思い立ったのが2010年春のこと。花見の前にちょっと時間があるからと、5月9日の「Elysian15」に立ち寄ってみました。
「こんな風に本を売ってるんだ」「こんな風にレイアウトしてるんだ」とスペースを遠巻きに眺めながら歩き、でも直接サークルさんから買う勇気はなく、委託スペースでコピー本ノウハウのアンソロジーを買うだけにとどまりました。

そして委託参加へ

イベントを見てみて「面白そうだなあ」と思った私は、いつか自分もサークル参加してみたいと考え始めました。そして今度は一度コピー本で失敗(?)している「ファラールの舞曲」の入稿準備を始めました。
同じく「STARBOOKS」を利用ということで、一度経験するとスムーズに事は運び、6月30日に無事「ファラールの舞曲」発行。自家通販を開始しました。
そしてその夏に一つの転機が。二次で知り合った友人が大阪の夏のイベントに参加すると聞き、大阪は行ったことがないしいい機会だからと、私も(突発的に)遊びに行くことにしました。
そしたら、スペースがあいているからと、まだ少し残っていた私の二次創作本を委託してくださることになりました!
初の委託参加です。売り子……というほど仕事はしてませんが、サークル入場から準備、頒布、撤収に至るまで、一連の流れを経験することになりました。完売の喜びも知りました。
既にサークル参加を決意していた私は、そこでポスタースタンドも購入(笑) こうして順調に本作り、イベントの魅力にやられていきます。

初サークル参加から創作イベントへ

私の初サークル参加は「Elysian16」でした。敷布買って、「時雨組シリーズ 五の組」も新刊として発行し、折本で無料配布を作って参加しました。
忘れもしない体験です。頒布数ゼロです(笑) この時は創作文芸で参加しているサークルさんが他におらず、本作りやイベントについてお話をすることもできなくて、寂しい時間を過ごしました。
しかしそのまま落ち込んでいないのが良くも悪くも私。Elysianのリンクから道内にも創作イベントがあることを知り、即申し込みます。
それが「the woRks HALLOWEEN HAVOC 07」でした。締め切りぎりぎりだったと記憶してますが、こういう時の私の行動力というのは一体何なんでしょうね。
このイベントがとても楽しかったがために、戻れない道へと足を踏み入れてしまいました。
私情により冬は忙しく、全くイベント参加できなかったのですが、その反動もあって翌年2011年の5月にはついに関東進出、「COMITIA96」に初参加となります。
大規模イベントはドキドキしましたが、既にサークル参加経験はあるし、新刊入れると三種になったしと、余裕がありました。またこの時は初めて売り子さんもお願いしてます。
知り合いにも会える、本を手に取ってもらえる、お買い物もできる、と充実した時間を過ごすことができました。以後、COMITIAにはほぼ毎回のように参加となるわけです。

本作りのハードルについて

実は、作ってみようと思ったら、本作り自体はそれほど難しくはないと思ってます。
コピー本の作り方については、検索すると山ほど出てきます。コピー本の作り方について記載した同人誌も売られています。
自分のできる範囲で、まずは一冊作ってみることをオススメしますね。
完璧を目指さず、まずは形にすることを目標にして。それから自分好みへとこだわって行けばいいと思います。
それでも気になるところはあると思います。
文字組とか、フォントとか、紙とか。
最初にオンノベ書きさんが手を出すとしたらA5サイズが多いかなと思うので、その話をしますと。
2段組、23〜28文字、20〜24行、8.5〜10pt辺りをオススメします。ページ数が増えると本が開きづらくなるので、行数は減らした方がいいかと。
フォントは明朝体なら何でもいいですと言いたいところですが、MS明朝はあまりオススメできません。PCでの見やすさを考えて作られているフォントですので。
お試しにということであれば、フリーの「IPA明朝」をダウンロードすることをオススメします。
印刷所を利用するというのであれば、まずは少部数をオンデマンド印刷で注文するのがいいと思います。小説の場合はWordやPDFで入稿することが多いでしょうか。
(参考リンクの下方に、主なオンデマンド印刷所もまとめてあります)

イベント参加のハードルについて

いきなりサークル参加をする勇者は少ないと思いますので、まずは一般参加がよいかなあと。ただ地方在住の方はなかなか大変ですよね。
若い人しかいない、グッズ中心で本が少ない等々、大都市の大規模イベントとは事情が異なる場合があります。かといって大規模イベントに行くのには時間もお金も掛かる。
それでもよく調べると各地域にも創作イベントはありますので、まずは勇気を出して遊びに行ってみてください。
サークル参加へのハードルは、「知り合いのスペースに委託参加する」or「売り子で参加する」が一番の近道だと思います。
創作イベントは二次の大規模イベントと違い売り子に素早さが要求されることは少ないので、初心者でも大丈夫なことが多いです。

参考リンクまとめ

・製本について
Wordで作る自家製本。
同人誌の小説まとめ@Wiki
・本文向きフリー明朝体
IPA明朝
・主なオンデマンド印刷所等(括弧内は個人的な印象を交えた特徴です)
小説本向きな印刷所まとめサイト

STARBOOKS (1部から作れます。締め切り遅め。紙も色々選べる。オンデマンドの中では安くはない。従来機種だとかなりマットな印刷。表紙は黄色が強めに出ることが多い印象)
ポプルス (基本的な装丁だと安いが、本文用紙は白上質。カラーは綺麗な印象だが、黒が盛りやすい。そこそこテカるので挿絵があるときは注意)
コミックモール (新書とか文庫が比較的安い。サークル名刺を100枚までおまけで作ってくれる)
プリントオン (オンデマンドの中では安くはない。とにかく特殊装丁が豊富。フェアも色々とやっている)
BRO'S (製本かっちり。表紙のカラーは沈みやすい。美弾紙が使えます。オフセットと見紛うようなマットさ)
ちょ古っ都製本工房 (とにかく早い、安い。製本や断裁の質は安定していない)